協会設立の翌年、1960年度から続けている重点事業のひとつ。がんの研究・治療に取り組んでいる40歳未満の医師や研究者、看護師さんらから研究成果を募り、基礎、臨床・疫学、看護等の部門に分けて、当協会が委嘱した選考委員が審査、受賞者を決めています。2009年度までに延べ1589人に、総額3億6880万円を贈呈しています。2010年度の贈呈者は11年2月に決まります。
朝日がんセミナー「がんと生きていく」は、がん征圧月間の2009年9月12日、大阪市天王寺区の大阪国際交流センター大ホールで開き、950人が参加した。大阪対ガン協会などの主催で、タレントの山田邦子さんらが講演、会場からの質問にも答えた。
山田さんはテレビの健康番組出演がきっかけで乳がんを発見する。その経験を踏まえて、「大丈夫だよ、がんばろう!」と題して講演。「乳がんのしこりを見つけたのが2007年3月。番組でお世話になった先生の病院で調べてもらい、がんだと分かりました。そして、この病院よりも近い別の病院を紹介されました。患者も家族も頻繁に病院に行くことになるので、専門医のいる近くの病院で治療を受けるのは大事なことです」と語りはじめた。「その病院で検査の結果、乳がんが3カ所にあり、左右両方の一部を切除する乳房温存手術を受けました。私はこの先生と信頼関係をつくりましたが、うまくいっていない患者さんにはセカンドオピニオンを勧めます」と続けて、「患者も、その家族にも同じ境遇の仲間が必要です。病気になって、皆で支え合うことの大切さを知りました。今、がんを経験した芸能人の友達と混声合唱団をつくり、チャリティーで各地を回り、啓発活動にも励んでいます。応援して下さい。そして定期的に検診を受けましょう。早く見つかれば元気になれます」と呼びかけた。
さらに、近畿大学医学部腫瘍内科の中川和彦教授が「分子標的薬による新しいがん治療」をテーマに、「分子標的薬はがん細胞に的を絞って作用するため、従来の抗がん剤より副作用が少なく、効くタイプのひとには劇的な効果を上げます」と話した。さらに、大阪府立成人病センターの稲治英生 乳腺・内分泌外科主任部長が「変わりゆく乳がん治療」、京都大学医学部附属病院の平岡真寛 放射線治療科教授が「放射線治療の最前線」と題して講演。これらを受けて、パネルディスカッションを進めた。
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