朝日がんセミナー「もっと健康、もっとがん検診」が、がん征圧月間の9月5日、大阪市中央区北浜東の「エル・おおさか」で開かれ、約500人が参加した。大阪対ガン協会などが主催、フリーアナウンサー木佐彩子さんのがん検診リポートやトーク、講演、パネルディスカッションなど多彩な内容で、会場からの質問にも答えた。
木佐さんは今回初めて受診したという子宮頸がんの検診体験をビデオでリポート。検診を終えて「検査そのものは1分もかからず、こんなに簡単なのにどうして早く来なかったのかと反省しました」と話した。
木佐さんと関西医科大医学部講師の斉藤淳子さんによるトークでは、斉藤さんが「最近は20~30代の女性に子宮頸がんが多いことが知られるようになり、受診者は若い人を中心に増えている」と説明、木佐さんは父親ががん治療中であることも打ち明け、「これからは私も定期的な受診を続けたい」と話した。
続いて大阪医科大医学部教授の大道正英さんが講演。子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を予防するワクチンが日本でも昨年から使用が開始されたことを紹介し、「約5万円という高額の自己負担が必要なため、国には公費補助を検討してほしい」とアピールした。
パネルディスカッションは「家族ががんになったとき」と題し、医療ジャーナリスト田辺功さんの司会でパネリスト4人が話し合った。がん患者サポートの会・ぎんなんの田中勝子さんは夫が5年前から治療中で「最初は家族も戸惑ったが、結局は見守るしかないので、以前と同じようにしている」、木佐さんは「旅行など先の目標や夢があるのは大事だと思う」と話した。田辺さんは「医療の技術が進んでおり、早めの対処でがんを克服できる可能性も高くなる。みなさんも積極的に検診を受けましょう」と呼びかけた。
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